獣医師の山本幸夫です。
遅ればせながらの報告ですが、雑誌「臨床獣医」の昨年8月号の「症例に学ぶ難治性疾患の診かた・考え方」コーナーに私も症例報告を書いております。
白帯病から継発した蹄深部感染症の1症例~深趾屈腱に沿って感染が波及するタイプ~
のテーマで、ウエアラブルカメラで撮影した動画から切り取った静止画を使って臨場感のある記事になったと思います。
毎年夏から秋に格闘することになる蹄深部感染症ですが、昨年は7月から11月にかけて私の元に集まった症例は10例を超え、例年よりも多くて苦戦しました。重症例なので予後不良となる牛も多いですが治癒して生産に復帰していく牛をみると取り組む意欲がわいてきます。
知多半島は北海道からの初妊導入が多く、その価格が高いにもかかわらずこのような重症例が発生してしまいます。予防したいものですがまずは1頭でも多く治して生産性を回復させられるように取り組むことが臨床獣医師の努めだと思います。
私は半田本院で発生する蹄深部感染症の大半を引き受けており、院内の蹄病2次診療の役割を担っていますが、それができるのも枠場の運搬と準備、助手と片付けまでを迅速に行なってくれる削蹄師スタッフのおかげであり、感謝の言葉しかありません。