獣医師の山本です。
12月7日に開催された第9回家畜感染症学会学術集会で3年連続一般口演をしてきました。演題は「乳牛における古釘の踏み抜きによる蹄深部感染症の1症例」です。釘などを踏んで蹄に深く刺さってしまうことが時折ありますが、深部に汚染と細菌が直接埋め込まれてしまうため治療に苦慮することが多い症例です。今回は新たな試みとして人医療での創傷治療で用いられるナイロン糸ドレインを使って良好に治癒した症例を発表しました。蹄深部感染症の治療課題は治癒率向上とともに痛みの早期軽減と治療期間の短縮、抗生物質投与回数の低減と処置回数の低減ですので、この方法は課題を克服するツールのひとつとして他の蹄深部感染症でも取り組んで行くつもりです。いろいろな質問や感想をいただき、今後の励みになりました。
3年連続で重症蹄病の1症例を発表していて楽しみにしていただいている参加者の方もいらっしゃったので、今後もこの方向で続けていってちょっとした名物になるのもいいかなと思っています。