和牛の超音波肉質診断
投稿が遅くなってしまいましたが、先月、高校生が大切に育てている和牛甲子園出品予定の牛の
超音波肉質診断に行ってきました。
出荷前の牛にエコー検査をすることで、
BMSNo.(いわゆる「サシ」の入り具合のスコア)・・・1~12番まであり、高いほど良い
僧帽筋シコリ(食肉になる大事な肩の筋肉が真っ白な硬い脂肪組織に置き換わってしまったもの)
の有無・・・あると「瑕疵(かし)」となって枝肉単価が落ちる、共進会では入賞できない
⇒重要なポイントなので僧帽筋は両側ともエコーで診ます。
ロース芯(胸最長筋)面積・・・大きい方がいい
皮下脂肪厚・・・薄い方がいい
バラ厚・・・厚い方がいい
を推定することが可能です。
ザックリ解説ですみません。
これらが出荷前の生体で推定できると、より良い成績が出ると推測される牛を枝肉共進会や
今回の和牛甲子園などに出品することができます。
普段は、和牛肥育農家さんの共進会出品牛の選畜にご利用いただいていますが、
最近は、和牛甲子園に参加している高校からの依頼もあり、取り組んでいます。
血統や長年の経験と実績とそれらの研究により生体の見た目から枝肉の出来具合を推測する
肥育農家の「プロの目」に超音波診断装置の「科学の目」が加わって、肥育農家さんが
より質の高い枝肉となる牛を出荷できるようになれば肥育農家経営の向上につながります。
もちろん「科学の目」もその技術習得にかなりの訓練が必要です。
疾病予防や治療、繁殖、飼養管理改善、削蹄以外にも、知多大動物病院は酪農・畜産農家の
経営に役立つよう様々な業務に取り組んでいます。
肩のあたりに押し付けているのがエコーのプローブで、手前の装置の画面で確認、記録しています。
肉質診断専用の超音波装置です。