本院獣医師の山本です。
2/20、2/21に東京の皇居の隣にある日経ホールで開催された令和6年度家畜診療等技術全国研究集会に参加しました、2/20には全国各地域から選ばれた19題の研究発表があり、私も東海北信地区の代表として発表しました。
「黒毛和種繁殖用雌牛における蹄深部感染症の1症例」と題して持ち時間10分、質疑応答5分で16番目に発表し、発表はキッチリ10分弱にミスなくおさめてうまくできました。質疑応答もさすが全国なのでレベルが高く、大学教授もいらっしゃるので地方の発表会とは雰囲気が違いました。発表者は右前に集められていたので、発表を終えた者から楽になって笑顔が増え、後半の発表者は「緊張手当がほしい!」と冗談を言って緊張を紛らわしていました。
2/21には2題の講演が行われ、その後に各賞の発表と講評、表彰式があり、私は全国農業共済協会長賞(簡単に言えば参加賞)をいただきました。全国発表した証です。
臨床獣医師をやりながら研究やその発表、症例をまとめた症例報告、論文投稿などを行なうことは、仕事とプライベートの境界をある程度曖昧にして取り組むことになるのがほとんどです。定時の勤務時間内だけではなかなか難しいと思います。
この発表会の主催は農業共済協会なので、発表者は私以外全員NOSAI獣医師でした。
近年、NOSAIの経営が厳しい、研究を若手に命令してやらせること(昔は圧力的なものがあったりなかったり)ができない、働き方改革の影響などもあって、各地区では発表者数が減少しつつあります。しかし、このような取り組みなしに臨床の科学的発展はありえず、今の流れに危機感を感じます。
発表会や学会で発表すると自分が発表することを深く理解することになります。また、質問を受けたり自分より詳しい人からアドバイスがもらえたりするのでさらに現場に還元できます。また、他の地域の獣医師とも横のつながりができやすいです。
少し大げさに言えば、見える世界が変わる、という感じもします。
一人でも多く研究発表や症例報告に取り組んでほしいと思っています。