獣医師の山本幸夫です。
一昨年の11月に家畜診療等技術東海北信地区発表会で発表した「持続点滴療法を行なった下痢症交雑種子牛のその後」は全国発表会選出を逃しましたが審査員の先生に推薦をいただき、その内容を論文としてまとめて大動物獣医師の代表的な学術雑誌「家畜診療」(全国農業共済協会)に投稿、2020年2月号に「持続点滴療法を行った下痢発症交雑種子牛の予後調査」として掲載されました。
昨年1月から書き始め、悪戦苦闘して3月の締め切りに提出しましたが、中央編集委員の高名な先生方の2名制の審査があり、多くの厳しいご指摘、削除、修正をいただき、それをさらに修正して再提出、そこでさらなるご指摘をいただき、再々提出、再々々提出と続け、何とか論文らしいものが出来上がって掲載にたどりつきました。
執筆に1年かかりましたが、一つの形となったことで安堵とともに臨床獣医師として理論的根拠を持って語れる自信を得られたように思います。普段は現場で獣医学的知識と技術をもって農家の役に立つことに最大限努力することが臨床獣医師の努めですが、それと同時に我々獣医師は科学者でもあると思っています。泥臭い現場での視点や感覚と科学者としての視点や感性が両輪となることで多方面から信頼される臨床獣医師になれると思っています。
臨床獣医師は学術的な活動に対して時間的制約が大きいですが、これからもがんばっていきたいです。